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思考のごみばこ

ゴミはゴミ箱に、思考はインターネットの海に

御手洗くんの話

久しぶりに、恋をしています。

もうかれこれ、1年以上。

 

**

 

私は今年で31になります。

昨年の春頃まで、私はもう二度と恋をしないと思っていました。

最近ご飯に行ったり肉体関係をもつのはもっぱら、

「たまには異性と交流しなければ」

「このまま独身だとさみしいし、ねえ・・・」

といった、なかば義務感のような気持ちから。

ご存知、尻の軽さもたいがいですので。

そんな私が恋をしたのです。

今回はその話をしたいと思います。

 

**

好きな人は、職場の人です。

第一印象は、「はつらつとした人」

 

去年、今の職場に来た私。

初出勤から何日かした後、職場でとぼとぼと歩いていたら

「どうしました!?元気ないっすね!」と

声をかけてくれたのを思い出します。

「いい人だなぁ」と思いました。

年下だし、常に笑顔で、自分とは違う人種やのう・・・

悩み事とかなさそうなタイプというか、そんなふうに思っていました。

しかししばらくして、同じチームの飲み会で、好きな人(仮に御手洗くんとしよう)の話が出たのです。

「御手洗くんは新卒1年めに、辛すぎて辞めそうになった」

「社長に辞表を持ってきたので、それを預かったまま慰留交渉をした」

という、私のイメージとは全く違うエピソード。

彼は昨年の時点で5年めで、異例の出世をしていたというのもあり、

「辛かった時期を乗り越えた人」

という属性が、私のなかの御手洗くん像に加わったわけです。

 

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恋に落ちた瞬間

あまり恋に落ちた瞬間をおぼえていることってないよなぁ、と思います。

でも私ははっきりと、その人を好きになった瞬間をおぼえています。

 

私は昨年、「飲み会幹事」というクソほどにも必要のない、業務にも、ましてや評価にも関係しない担当になっておりました。

うちの職場はたくさんのチームで仕事をしており、デスクもそのチームごとにまとまって配置されています。

ですが、時折部署の飲み会というのがあります。

そのために、チームから一人、飲み会幹事担当を決めるのです。

飲み会幹事は飲み会の企画、セッティング、当日のお酌というスーパーだるいことをします。

これ、仕事じゃないよね・・・?

と思いつつ、下っ端とはこういうものなのだと自分を納得させて、淡々と幹事業をこなしていました。

 

ある日の飲み会、私は疲労困憊でした。

きついイベントの後のお疲れ様会だったのです。

疲れているのは皆そうなんですけど、早く帰れるにも関わらず職場の飲み会、

しかも幹事なので一瞬も席につけずひたすら他の方々の注文を聞き、

注文が届いたら届け、お酌にまわり・・・・という地獄。

「幹事、生もう1杯ね!」

と偉そうに言ってくるお局に「素足で画鋲踏めばいいのに」と思いながら、

ヘコヘコと注文をとったりしていたわけです。

個室の部屋をとったので、私はその個室の前の廊下で死んだ目をして、

注文したお酒が運ばれてくるのを待っていました。

(そのお酒をテーブルごとに配る)

 

死んだ魚の目をしてしばらく突っ立っていたところ、御手洗くんが個室から出てきました。

そして、

「幹事、大変ですよね。僕も去年幹事だったんです。手伝いますよ、少し座って休んでください」

と言ったのです。

その時私は、胸がきゅーーーーん!!!

幹事以外のみんなは、全部幹事にやらせるのが当然という雰囲気なのに、

彼は幹事の私を気遣ってくれている!!!!!!!

なんていい人!!!!

抱いて!!

と、なったわけです。

わかりやすいでしょう。

みんなお酒が入って気持よくやってるなか、

幹事の苦労にまで気がまわり、わざわざ個室の外に出てきてくれる。

そんな人、そうそういない。

 

**

飲み会での一件以後、彼は私のなかでどんどん気になる存在になっていきました。

 

もちろん、飲み会幹事だけが私の仕事ではありません。

私は職場で「英語屋さん」なので、英語の書類などを整理したり、

外国の取引先との交渉などを担当しています。

ちょうど私が彼に恋をし始めた頃かな。

彼は

「僕、英語が話せるようになりたいんです」

と言って、私に英語の質問をしに来るようになっていました。

英語で話しかけたりもしてきます。

決して上手なわけではないけれど、一生懸命英語で話そうとする彼の仕方に私は、

キューン

もしくは

じゅん・・・

なわけです。

 

忙しい職なので、なかなか違うチームの人と話す機会はないのですが、

彼は暇を見つけては話しかけにきて、英語の話をしていました。

そんな彼を私はどんどんと好きになっていきました。

 

**

決して可愛くないデブスの私が幹事の仕事で飲み会の司会をしていると

「可愛いよ〜!!!」

とヤジをとばしてくれたり(日頃言われないので冗談でもすごく嬉しい)、

私が彼と話していると、その後彼のチームの人が

「御手洗くんよかったね」

とこっそり言ったり(聞こえてっけど)しているのを聞いて、

これはもしかしてイケるのではないか

という謎の脈あり判定を独断でくだし、私からもよく話しかけにいっていました。

彼は職場のリア充若手グループの中心人物なのですが、

そのリア充グループの飲み会にも声をかけてくれるのは彼で、

「これは私への好意なのか」

と、自信をふくらませていったわけです。

ちなみにそのリア充グループに私は属していません。おっかない。 

**

そんな日々のなか、私はある男性からのLINEに手を焼いておりました。

その人と出会ったのは学生時代。

会えばセックスする仲です。

ですが最近は疎遠気味でした。

そんな彼が

「久々に飲もうぜ」

とLINEをしてきました。

そして、

ラブホ行こうぜ

とたたみかけてきたのです。

「好きな人いるから、できない」

私はそう言いはりました。

「いいじゃん、それとこれは別だよ」

「セックスしようぜ、背徳的に」

などと、彼はめげない。私もめげない。

好きな人がいるのに他の人に抱かれるなんて、嫌じゃないですか。

最終的に

「まぁとりあえず飲もう」

となりました。

そして私は、彼と飲みに行くことに。

 

少し狭めの個室に入り、楽しく会話をしていました。

私は御手洗くんの話をし、私が恋に落ちた瞬間のエピソードもしました。もちろん。

そしたら彼は、

「それ、御手洗くんがブサイクでも好きになってた?」

と言ったのです!!!!

そして私の脈あり判定を、

「それはお前の妄想だね」

とバッサリ!やっぱりね!!

そして彼は、今好きな人の話をしてくれました。

その人は九州に住んでおり、たまに東京に来るときに飲むそうです。

「その人とセックスなんてしなくていい、ただ抱きしめたい」

と語る彼を見て、そうそう、恋ってそういうものなんだよなぁと頷く私。

恋とは神聖にして侵すべからず

 

しばらくして、彼にいきなり抱き寄せられ、口に舌を突っ込まれました。

 

数時間後・・・

 

私は彼とセックスしていました。

御手洗くんのことが好きなのに、全然好きでない人の前ではいつくばり、

あんあん言ってたわけです。

 

恋とは神聖にして、侵すべからず。

私は今でも、御手洗くんに恋をしています。

こんな恋、もう二度とできない。

そう思いながら、職場で彼の姿を目で追う日々です。