思考のごみばこ

ゴミはゴミ箱に、思考はインターネットの海に

私たちは上村くんに何ができたか

川崎で中1の男子が殺され、遺棄された事件が世間を騒がせていますね。

私がつい考えてしまうのは、大人が何をできたかということ。

事件は防げたのか。

 

結論からいうと、防げたと思います。

ただ、それは結果論。

何か悲劇が起こったときに、人はいつでも、結果からしか語れない。

起こってしまったから、フォーカスされるわけだから。

でも、議論を尽くすことで、これから同じような事件を防ぐことができるといいなと。

私のようなインターネットの中の小さな屑でも、真剣に考えることに意味があると思うわけです。

子供の世界

子供の世界についてまず考えてみようと思います。

子供にとっての世界って、家庭と学校。

そのなかでも、「友達」の存在は子供にとって非常に大きいもの。

子供はまず、家庭という世界から学校という社会に出るわけです。

そこで、同級生や上級生、下級生、そして先生や部活のコーチなどと関係を育む。

その過程で子供は、人と衝突したり、和解したりしながら大人になっていくわけ。

いきなり大人になる人間がいないように、人って失敗しながら成長していく。

だから、思春期の人間関係がカオスになるのは当然といえば当然で、

それは人格の形成、完成に絶対に必要なものなのです。

「葛藤」を経ない青年は、その後のライフプランニングに苦労する・・・と何かの本で読みました。

何かに反抗したりする心、それと折り合いをつけたり、とことんぶつかっていくこと、、、

その過程で、死に至るいざこざが起こるのは恐怖としか言えないと思います。

 

親が子を「守る」ということ

大人は、子供の葛藤を見守る、、、時には「大人」の手段を使って「守る」ことが、

求められているのを忘れちゃいけない。

まず、親が子を守ることについて書こうと思います。

 

今はスマートフォンなどで簡単に色々な人とつながることができますよね。

それってすごいことなんですよね。

「ケータイ時代」以前、子供の関係性の可視化はずっと容易だった。

でも今は、大人が子供の交友関係を「監視」するのが難しくなってきています。

ただ、こんなサービスも出てきていますよね。


LINEいじめ、親に代わり監視サービス 単語チェック:朝日新聞デジタル

私の知り合いは、子供の居場所をGPSで監視しています・・・!

そのくらいしないと、もうダメ。

それを拒否したら、持たせない。それでいいと思うのです。

子供との信頼関係がある、一人の人間として尊重したい。

いやいやいや。

自分の子供がまっとうでも、周りは?

どうやっても事件に巻き込まれることってあるから。

大人が長年の経験で培ってきた危険回避能力が、まだ子供には不十分だということを、

大人は肝に銘じておいたほうがいい。

愛とは、妄信することではないと思います。

 

以前、こんな「契約書」が話題になりました。


母から子へ「スマホ18の約束」【英語原文つき】 - NAVER まとめ

 

以下、引用です。

メリークリスマス!あなたは今日からiPhoneの所有権を持つことができます。

やったね!

責任感のあるお利口な13歳なので、このプレゼントはあなたに相応しい。

しかし、このプレゼントと受理すると同時にルールや規則が付いてきます。以下の使用契約をゆっくり読んでください。

私の親としての仕事も分かって欲しい。

あなたを健康で豊かな人間性を持った、現代のテクノロジーうまく活用していける大人に育てなければならないといことを。

以下の規則を守ることができなかった場合、あなたのiPhone所有権も無くなります。
あなたが大好きでたまりません。

あなたと何百万個ものメッセージ交換をするのが楽しみです。

 

この18の約束では、iPhoneを買ったのは親である私で、息子に「貸している」のであり、

毎日決まった時間に親に「返却」することや、ポルノを見ないことを禁止しています。

私が心に残ったのは

あなたは失敗する。そのときはこの携帯をあなたから奪います。その失敗について私と話し合います。また一からスタートします。あなたと私はいつも何かを学んでいる。私はあなたのチームメイトです。一緒に答えを出して行きましょう。

という部分。最後の約束です。

これ、全文を見るとわかるのですが、子への愛、責任って、

ただ自由にさせてやることだけじゃないんですよね。

程度によるけれど、私たち大人は「干渉」をしていかなきゃいけない。

それによってぶつかることをおそれちゃいけないんだと思います。

話し合い、一緒に答えを出すこと。

これを徹底することって簡単そうで難しい。

特に相手が十代の場合。

教師、警察、地域の責任

つらつらと書いてたらすごい長文になってきました。たいしたこと書いてないのに。

 

最後に、教師や地域の大人たちの責任について考えてみます。

教師は生徒と直接接すること、そして、家庭、級友との関係性の中で生徒を知ります。

いわば「外の顔」を客観的に見ているわけです。

そして父兄から「内の顔」を聞く。

それ以上でもそれ以下でもないわけです。

教師を、過信してはいけない。

親にとって自分の子供は唯一無二の存在、宝物です。

だけど教師にとっては、そうではないのだから。

ます、教師は職業。

公私の「公」、金を稼ぐ仕事の一部です。

そのなかで、一人の子供の存在が決定的に大きいということはない。

もちろん気にはかけるし、手がかかる子(ケース)というのはいますけれど、

一日は24時間。

生徒指導にかけられる時間だって、限られています。

 1クラス約40人を見なきゃいけないわけですし。

 

だけど、教師は生徒の外の顔を通して、何が起こっているのかをみつめることができる。

たくさんの子供をみてきているから、目は肥えているでしょう。

子供に何かが起こっている場合、それを外部に知らせ、助けを求めることができる。

スクールカウンセラーや他校の教員、児童相談所や警察。

様々な機関と連携して、しかるべき対応をとらなければと考えます。

児童相談所がもっと身軽になってくれれば・・・。

アメリカとかすぐとんできますからね。

あとは、子供を見守る独自ネットワークづくりができたらいいですね。

保護者と上記の機関が連携して。

子供の世界が複雑化した今、それを見守る大人たちもある種の組織として、柔軟に協働しなければ。

この事件を機に、そのあたりの構造改革ができればいいのに。

 

川崎の事件の報道で気づいたのは、よく青少年がたまり場にしている場所がいくつかあったようだということ。

構造改革は大局的な考えとしておいておいて、現実的な案として、パトロールが挙げられます。

警察はそこを定期的にパトロールしてたのかなぁ・・・。

しょちゅうお巡りさんがくるだけで、色々な犯罪の抑止力になると思うのだけど。

あとはやはり、暗闇を減らすことも大切なんじゃないかと。

外で起きる犯罪って、暗闇で起きることが多いじゃないですか。

空き巣対策のためにセンサーライトを設置している家も、多いですからね。

我が家では足元を照らすためですが。

公共の場所でもどんどん設置していきたいですよね。コストかかるけど。

地域住民としても、未成年がたむろしていたら注意・・・することはこわいかもしれませんが、通報していきたいですね。

最後に

全然まとまらなかったです。

本当はもっとパーソナルな感想を書きたかったのだけれど、ちょっと書いてるうちに、

ここで感想を書くのは無責任かなって。

 

被害者をとりまく人たちは今、後悔でいっぱいだと思います。

一人の少年の死は、悔やんでも悔やみきれない。

だけど私たちの意識が、一人ひとりの意識が、少しずつ変わっていけば、

未来に起こりうる事件を防ぐことができます。

この事件をきっかけとして、多くの人の子供を見つめるまなざしがよりあたたかく、時にするどくなることを願ってやみません。