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思考のごみばこ

ゴミはゴミ箱に、思考はインターネットの海に

「その女アレックス」を読んだ

読みたい!と書いていた「その女アレックス」読みました。

その女アレックス (文春文庫)

翻訳小説読むの、久々です。

すごい話題になってますよね。

翻訳小説がこんなに話題になるのなんて、ダ・ヴィンチ・コード以来かも?

 

その女アレックス、まずはネタバレなしであらすじ&レビューをば。

でも余計な予備知識なしのほうが楽しめるかもしれないので、

読む予定の方はご注意を。

 

舞台はフランス、パリ。

アレックスは、誘拐されてしまうこの物語の主人公です。

謎解き的な面白さはもちろん、

大きなテーマとして「破壊と再生」が挙げられるかなと思いました。

 

以下、Amazonの商品ページから引っ張ってきました。

 

♩ *゜・+♪*゜・+ ♫ *゜・+♬*゜・+

話題独占、一気読み必至の大逆転サスペンス。貴方の予想はすべて裏切られる――。

おまえが死ぬのを見たい――男はそう言って女を監禁した。檻に幽閉され、衰弱した女は死を目前に脱出を図るが……。
ここまでは序章にすぎない。孤独な女の壮絶な秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、慟哭と驚愕へと突進する。

「この作品を読み終えた人々は、プロットについて語る際に他の作品以上に慎重になる。それはネタバレを恐れてというよりも、自分が何かこれまでとは違う読書体験をしたと感じ、その体験の機会を他の読者から奪ってはならないと思うからのようだ」(「訳者あとがき」より)。

未曾有の読書体験を、貴方もぜひ!
 
内容(「BOOK」データベースより)
おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。イギリス推理作家協会賞受賞作。

♩ *゜・+♪*゜・+ ♫ *゜・+♬*゜・+

ここからは私が感じたおすすめポイントを。 

おすすめポイント1 展開が読めない

これを読むと「誘拐」と「脱出」がメインの話かとおもいきや、

それはこの話のひとつのエピソードに過ぎません。

三部構成になっているのですが、

第一部 誘拐と脱出、冒険編(頑張れアレックス)

第二部 猟奇編(どうしたアレックス)

第三部 謎解き編(なるほどアレックス)

ざっくりいうとこんな感じですかね。

絡まった糸が、第三部でするするとほどけていく感覚は爽快!

私はミステリーが大好きなのですが、読みすぎてしまったのか、

わりと早い段階で展開がわかってしまうことが多いのです。

だけどこの本は、かなり最後までわからなかった!

それだけでも感動です・・・!ありがとうございます!という。

 翻弄される喜びエ・・・。

 

おすすめポイント2 登場人物が魅力的

それと、何気によかったのがこの物語のもう一人の主人公、

辛い過去と対峙してもがく、刑事のカミーユです。

破壊から再生していくカミーユも、本書の見どころ。

カミーユは、天涯孤独の身長145センチのパリジャン。

カミーユを取り巻く女性がエグいんです。

カミーユの母親、奥さん、そしてアレックス。

3人の女性に過去も現在も翻弄されるのです。

そして、カミーユはいろいろな意味で「ヒーロー」ではないってのがいい。

ミステリーって謎解き役がすごくかっこよく描かれがちですが、

この「その女 アレックス」はそうではない。

身長にコンプレックスがすごい(そりゃそうか)し、

短気だし、そんなにバリバリと謎を解いて読者をリードするわけではない。

だけど心をひきつけられる、そんな人物です。

サイドストーリーとして、カミーユの同僚も濃くて楽しいです。

ユニークな同僚たちとのやりとりを楽しめるか、無駄と見るか。

それが本書を楽しめるかどうかの一つのポイントですね。

 

さて、ここからは盛大なネタバレ

未読の方は読了後に!!!

ネタバレ

第一部では被害者だったアレックスが、第二部では加害者へ、

第三部ではその過去が明かされて、第二部での行動の理由がわかってきますよね。

第二部で殺しまくってるとき、第一部でアレックスが

「この計画が終わるまでは死ねない」

みたいなことを言ってたのを思い出して、これは復讐なのかな?と思いました。

でも殺された人がランダムに見えたので、半信半疑。

結局、見えない糸でその被害者たちはつながってたんですよね。

というか、アレックスの兄という糸。

正直、アレックスの過去は同じ女性として辛すぎました。

三部を読んでいて

「死ね、兄も母も!( ゚Д゚)<氏ね!」

という気持ちに・・・。

でもアレックスの最後は悲しい・・・。

 

自殺の偽装については読みながら

「あれ?飛行機のチケット買ってたよね?」

って不思議に思って、やはり私も殺されたのかな?と思ったんですけど、

偽装だったのですね。

そういやTシャツでドア拭ったりしてましたね〜。

注意深く読んでたらすぐ気づくとこだったな。

髪の毛のくだりは第一部ででてきましたね。

それ思い出して「あ!!!」ってなりました。

そういうの好き。

この「あ!!!」は、ミステリの醍醐味だと思います。 

 

アレックスにとって、破壊された自己を再生する方法、生きる意味が、

復讐でした。

一方カミーユにとっての再生は、アレックスのケースに関わる過程で自己と向き合ったり、

昔の同僚との対話や亡き家族の身辺整理をすることで喪った何かを取り戻すことでした。

救いのないアレックスの物語のなかで、最後に少し報われたのはカミーユのカタルシス。

いや〜な奴だった判事、ドケチのアルマンが最後輝きました。

 

カミーユが登場する他のシリーズも読みたくなりました!

でも日本語訳はされてないみたいですね〜。

英語訳版に挑戦してみようかな。

 

久しぶりにいいミステリーを読んだな、と思いました。